【転載歓迎】当事者が語る精神障害とのつきあい方「グッドラック!統合失調症」と言おう [著者から]
当事者が語る精神障害とのつきあい方 -「グッドラック!統合失調症」と言おう-
- 著者: 佐野 卓志、森 実恵、松永 典子、安原 荘一、北川 剛、下村 幸男、ウテナ
- 出版社: 明石書店
- 発売日: 2013/03/26
- メディア: 単行本
著者の代表である佐野卓志さんから、次のようなメールを頂きました。
著者の一人である佐野卓志にメールすれば、送料無料で定価の1890円で郵送します。振込先は「郵便振替01640-7-74936」で、宛先は「NPO法人ぴあ」です。メルアドは mugen@joy.ocn.ne.jp です。ホームページは http://lutheran.ojaru.jp/ で、掲示板もありますので、感想など書き込んで自由に交流できます。
佐野卓志さんと明石書店から「はじめに」の転載許可を頂きました。ご紹介します。
はじめに
4~5年前のこと、友人の安原さんから、「統合失調症当事者が何人か集まって、本を出したい」という提案があって、「協力してほしい」と言われました。ぼくはいままで共著の本を2冊出していたこともあって、「いいですよ」と言ったのが運のつき。形になるまでのいろいろな苦労を引き受けることになってしまいました。友人や知り合い関係とか動員して、当事者に声をかけ、あるいは紹介してもらって、ひとり増え二人増えて、メーリングリストでやり取りしながら進めることにしました。
原稿もある程度集まり、ある出版社に持ち込んだのですが、2年以上塩漬け状態。「出版社を変えてみるか」と、安原さんの中学・高校時代の同窓生が編集者として働く明石書店にたどり着いたのでした。その編集部からは、「今集まっている原稿のままでは出版できない。半生記を4本立てと、残りをコラムにしてはどうか」との提案があり、その方向で各自修正や削除など地道な作業をしていきました。
詰めに近づくにつれて、ぼくも含め、「もう直せない」「直したくない」「ここを直してほしい」とぎりぎりの調整が続き、難航しました。出版予定の直前になっても、題名やそのほかについても、もめてまとまらないのです。しかたないのですべて編集部に一任ということになりました。本当に気の合わない人たちの集まりです。(笑)
出版ができるのか、途方に暮れてしまったこともありました。自己主張の強い皆さん(笑、もちろんぼくも入っていますが)をまとめる代表として、ぼくはいちおう編集部との窓口になっていたのですが、窓口らしいこともなかなかできず、苦労ばかりおかけした末に、やっと出版にまでこぎ着けました。
統合失調症当事者自身の手で企画して集まって、編集部との交渉を詰めていったという、とてもユニークな本が、ついに出来上がったと思います。
共著者の皆様、本当にご苦労様でした。明石書店編集部の神野さんには、本当にお世話になりました。メーリングリストの技術サポートをしてくれた石井さん、いっさいの口出しをせず温かく見守ってくれた下釜さんにも感謝です。
すったもんだの末にできあがったこの本を手に取られた皆さんには、楽しんでいただければ、一同ホントにうれしいです。そして「な~んだ。おんなじ人間じゃないか」と気づいてくだされば、それだけで大満足です。
共著者を代表して 佐野 卓志
本の題名、著者名、出版社名、佐野卓志さんのサイト(ルーテル作業センタームゲン)へのリンクが全て含まれていれば転載できます。チラシだけの転載も可能です。どんどん転載してください。
著者の他の作品
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佐野卓志さん:
「統合失調症とわたしとクスリ―かしこい病者になるために」(ぶどう社、2005/05)
「こころの病を生きる―統合失調症患者と精神科医師の往復書簡」(中央法規出版、2005/08)
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森実恵さん:
「心を乗っとられて―ある精神障害者の手記」(潮文社、2002/08)
「〈心の病〉をくぐりぬけて」(岩波書店、2006/3/3)
「なんとかなるよ統合失調症―がんばりすぎない闘病記」(解放出版社、2006/10)