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陽のあたる家~生活保護に支えられて~ [本]

陽のあたる家~生活保護に支えられて~ (書籍扱いコミックス)

陽のあたる家~生活保護に支えられて~ (書籍扱いコミックス)

  • 作者: さいき まこ
  • 出版社/メーカー: 秋田書店
  • 発売日: 2013/12/16
  • メディア: コミック

 表紙に「マンガでわかる生活保護」と書いてあるように、生活保護制度の概要や生活保護で暮らしている人の思いを知るには良い本だと思った。
 この漫画で制度の全てを知ることはできないが、詳細は利用しながら知れば良い。とりあえず、最低限知っておいた方が良いことは知れるような気がする。
 でも、この本を読んで一番知ってほしいのは生活保護で生活している人の気持ち。世間の冷たい目に晒されている彼らの気持ち。この本には受給者をバッシングする人など、こんな人にはなりたくないなぁと思うような人がたくさん登場する。彼らに苦しめられる主人公の家族を見ると、この漫画には救いが無いなぁと思った。最後の最後に救いのようなものはあるのだけど、世間はそんなに甘くはない。
 この本は誰に読んでほしいかを考えた。生活保護を受給した方が良いくらい困窮している人だろうか?でも、この本を読んだら受給した後の辛さが描かれていて需給を躊躇いそう。それ以前に申請時に窓口で酷いことを言われることが分かるわけだから、それだけでも申請することを躊躇いそう。生活保護受給者をバッシングしている人が読んだらどうだろう?自分の分身が多数登場するので、その登場人物を見て自分を醜いと思ってバッシングしなくなれば良いのだが、甘いかもしれない。

 この漫画の主人公たちは誰が見ても困っている人たち。彼らをバッシングする登場人物は彼らの事情を知らないからバッシングしている。知っていればバッシングしないかもしれない。では、主人公たちほど困ってない人に対してはどうだろう?「主人公たちは生活保護を受給してもいいよ。でもね…」となりそうな気がする。
 この問題を改善するのは非常に難しい。
 漫画のラストは主人公の、作者の希望の言葉で締めくくられる。

 約160ページ。全部読むのに1時間かからなかった。


さいきまこさんの本

陽のあたる家~生活保護に支えられて~ (書籍扱いコミックス) 神様の背中~貧困の中の子どもたち~(書籍扱いコミックス)
タグ:さいきまこ

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